循環器装置管理の標準化班












Coronary CTA被曝調査班

2007年4月〜2010年3月 活動終了したワーキンググループ です。

名 称 : Coronary CTA 被曝調査班
班 長 : 塩野谷 純 (石心会 狭山病院)
班 員 : 阿久津任文 (石心会 狭山病院)
    : 大澤 三和 (昭和大学病院)
    : 先山 耕史 (昭和大学藤が丘病院)
    : 櫻田 尚武 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
    : 苫米地修平 (国立国際医療センター)
    : 和田 裕之 (NTT東日本 関東病院)
オブザーバー : 加藤 京一 (昭和大学藤が丘病院)


活動目標および内容 :
 心臓CT(Coronary CTA)は、CT検査の中でも放射線の被曝線量が多い検査と考えられます。CTコンソールには検査時の被曝線量がCTDIvol等で表示されますが、皮膚線量や臓器ごとの実際の被曝線量は不明です。
 このWGでは、心臓CTでの臓器ごとの被曝線量や線量分布を多施設のCT装置で測定し、撮影プロトコールの設定・見直しに役立てるデータの収集・解析を行います。
 また、他のモダリティー(循環器X線装置など)と同じテーブルで被曝線量評価ができるよう検討します。

(活動実績)
◇ 循環器装置・CT装置のQC・QA 〜管理すべきPoint !!〜 : (シンポジウム)第263回循環器画像技術研究会 2010年3月
     Coronary CTA検査の管理−被曝線量の適正管理について
◇ 冠動脈CTAの多施設被曝線量測定 : (口述)第37回日本放射線技術学会秋期学術大会 2009年10月
◇ CoronaryCTA被曝調査 CCTA吸収線量の線量分布と確定的影響の評価 : (ポスター)CCT2009 (Co-Medical) (優秀演題) 2009年1月
◇ Coronary CTA被曝線量実態調査 −CTDIと各臓器の吸収線量との比較について− : (口述)第36回日本放射線技術学会秋期学術大会 2008年10月
◇ 循環器撮影装置の保守管理と安全使用 : (シンポジウム)第243回循環器画像技術研究会 2008年3月
     CT装置の線量表示−出力管理と被曝線量の問題点

(活動報告)
◇ 2008年度、 2007年度


2009.10.22 第37回 日本放射線技術学会秋期学術大会 報告
(口述) 演題区分 : CT 検査 −心臓・被ばく低減技術−

冠動脈CTAの多施設被曝線量測定

報告者 : 和田 裕之 (NTT東日本 関東病院)

発表スライドはこちら


【目的】
 循環器画像技術研究会では冠動脈CTAによる各施設での被曝線量の実態を把握するため、多施設での線量測定を実施している。今回、4施設4装置分のデータについて分析したので報告する。

【方法】
 研究会参加4施設において、心拍数65〜70を想定したルーチンの各施設による冠動脈CTA検査全プロトコル(撮影範囲は指定)にて撮影を行った。
 測定にはランドファントム(規格:身長175cm体重73.5kg女性)を使用し、心臓を含む5断面に67本、皮膚面3断面に15本、左右乳房部分に6本、計88本の蛍光ガラス線量計(旭テクノグラス社製GD-301)を挿入し空気吸収線量の測定を行った。

【結果・考察】
 体内線量分布は4施設ほぼ同様の傾向を示したが、空気吸収線量には約2倍較差(心臓部:最小333mGy、最大671mGy)があった。各施設の空気吸収線量の差は、前後方向よりも左右方向の方が大きかった。乳房の空気吸収線量は、他の部位と比べて低い値となった。この較差は、装置の仕様による違いや、その施設での撮影条件が影響していると考えられた。

【結語】
 測定結果から最大で2倍となる施設較差の実態を捉えることができた。その要因として撮影条件の違いなど人的ソフト面での施設較差も大きいと考えられる。今後、冠動脈CTA被曝低減に向けた基礎データとして有効に活用していきたい。




2009.01.30 CCT2009 (Co-Medical) ポスターセッション抄録(優秀演題)

CoronaryCTA被曝調査 CCTA吸収線量の線量分布と確定的影響の評価

報告者 : 塩野谷 純 (石心会 狭山病院)

【目的】
 関東で開催されている循環器画像技術研究会ではCoronary CTA(以下CCTA) の被曝調査を行っている。今回CCTA時の空気吸収線量を測定し、その線量分布を調査した。そして各臓器の組織吸収線量と確定的影響に関し検討したので報告する。

【方法】
 ランドファントムの心臓を含む5断面内部と3断面皮膚面に計82本の蛍光ガラス線量計を挿入し、通常使用している撮影条件で撮影した。測定値より各臓器の空気吸収線量の平均値を求め、各部位を軟部組織とした組織吸収線量を算出した。

【結果・考察】
 CCTAの平均空気吸収線量は228.1mGyであった。また組織吸収線量を算出すると241.8mGyとなった。皮膚面の組織吸収線量は219.8mGyとなり、これは皮膚紅斑閾値の1/10であった。CCTA直後にPCIを施行する場合は、CCTA時の被曝線量も考慮した術者への情報伝達が必要となる。また骨髄周囲は238.0mGyとなり、造血機能低下閾値の約1/2であった。実際は局所被曝の為臨床的な機能低下は起こらないと考えられるが、配慮が必要である。

【結語】
 現在CCTAの有用性は高く評価されているが、更なる被曝低減努力が必要である。



2008.10.25 第36回 日本放射線技術学会秋期学術大会 報告
(口述) 演題区分 : 心臓CT −被ばく評価−

Coronary CTA被曝線量実態調査 −CTDIと各臓器の吸収線量との比較について−

報告者 : 阿久津 任文 (石心会 さやま総合クリニック)

【目的】
 循環器画像技術研究会ではCoronary CTA(以下CCTA)の被曝に関する実 態調査を行っている。
 今回CCTA撮影時の吸収線量を測定し、CTDIと実測値との違 いや各臓器の吸収線量分布に関し調査したので報告する。

【方法】
 ランドフ ァントムの心臓を含む5断面の内部に計67本の蛍光ガラス線量計(旭テクノグラスGD-301)を任意に挿入。皮膚面には3断面に計15本を装着した。
 X線CT装置(東芝 Aquilion 64)を使用し、120kV、500mA 、0.35sec、pitch 0.25、ECG modulation off、HR 68で撮影した。
 プロトコール:Topogram、Plane、Real Prep、Heart Scan

【結果・考察】
 総プロトコール撮影時(CTDIvol:169.8mGy)のファントム内 部の線量計にて測定した吸収線量の平均値は236.7mGyであった。これはCTDIの約1.4倍となった。今回の測定値は空気吸収線量である為、各臓器別の平均吸収線量を軟部 組織として算出すると、肺野皮膚面側で257.4mGy、縦隔側は273.9mGy、心臓と周囲縦 隔部は283.3mGy、骨髄周囲252.4mGy、肝臓238.5mGy、皮膚233.2mGyであった。確定的 影響の閾値と比較すると、造血機能低下の約1/2、皮膚紅斑の1/10であった。CCTA直後にPCIに移行する場合は、CCTAでの被曝線量も考慮し被曝管理を行うべきであると 考える。

【結語】
 蛍光ガラス線量計を用いてCCTA時の各臓器の吸収線量と分 布を調査し、CTDIでは認識し難い被曝の実態を把握することができた。今後は施設間 差や装置間差を調査していきたい。






2008年度 Coronary CTA被曝調査班 活動報告

班 長 : 塩野谷 純 (石心会 狭山病院)
班 員 : 阿久津任文 (石心会 狭山病院)
      大澤 三和 (昭和大学病院)
      先山 耕史 (昭和大学藤が丘病院)
      櫻田 尚武 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
      苫米地修平 (国立国際医療センター)
      和田 裕之 (NTT東日本 関東病院)
オブザーバー : 加藤 京一 (昭和大学藤が丘病院)

 このワーキンググループでは、他施設へ協力を依頼し心臓CTでの臓器ごとの被曝線量や線量分布の測定を行い、被曝の現状を把握することを目的とし、各施設での撮影プロトコールの設定・見直しに役立てるデータの収集・解析を行っている。
 今年度の活動は、複数施設の測定に向けた基礎データの収集・検討を行い、その成果として放射線技術学会第36回秋季学術大会とCCT2009にて報告を行った。前者のCTDIとの比較では、検査時に装置側に表示されるものと今回測定した吸収線量とでは差があることが分かった。また後者の確定的影響との比較ではCTCAのみでは関値を超えないものの、検査直後に心臓カテーテル治療を行う場合には皮膚への影響などが心配されるとの結果となった。
 21年度は複数施設のデータ解析を行った結果を報告していく予定である。

  1. 「Coronary CTA被曝調査班 −CTDIと各臓器との吸収線量の比較について−」
    阿久津任文 (石心会さやま総合クリニック)
  2. 「Coronary CTA被曝調査班 −CCTA吸収線量の線量分布と確定的影響への評価−」
    塩野谷 純 (石心会狭山病院)
  3. 21年度の予定として、放射線技術学会第37回秋季学術大会にエントリー予定



2007年度 Coronary CTA被曝調査班 活動報告

班 長 : 塩野谷 純 (石心会 狭山病院)
班 員 : 阿久津任文 (石心会 狭山病院)
      大澤 三和 (昭和大学病院)
      先山 耕史 (昭和大学藤が丘病院)
      櫻田 尚武 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
      苫米地修平 (国立国際医療センター)
      和田 裕之 (NTT東日本 関東病院)
オブザーバー : 加藤 京一 (昭和大学藤が丘病院)

 心臓CT検査は冠状動脈の評価をはじめ、心筋、心機能評価についての有用性も多数報告が挙げられ、現在では多くの施設で行える検査である。しかし、検査時の患者被曝は同じCT検査の中でも多いため問題となっているものの、被曝低減技術についてはメーカーに依存する部分が多い。

 このワーキンググループでは、多施設へ協力を依頼して心臓CTでの臓器ごとの被曝線量や線量分布の測定を行い、被曝の現状を把握することを第一の目的とし、撮影プロトコールの設定・見直しに役立てるデータの収集・解析を行っていきたいと考えている。



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