●胸部X線写真でわかること
<石川栄二:横浜市立大学附属市民総合医療センター>2006.05.13 第225回定例研究会 臨床情報講座
胸部X線写真でわかること
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本日のメニュー
1) 撮影法の復習
2) 胸部の解剖と区域
3) 循環器機能計測
4) 正常X線像
5) まとめ
撮影法の復習
撮影条件の復習
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胸部撮影法の復習
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胸部撮影法の復習
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胸部撮影法の復習
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胸部撮影法の復習
立位では分かり難い、少量の胸水や気胸の観察に役立つ。 |
胸部の解剖と区域
胸部の解剖(縦隔)
(Aortic Pulmonary window) 動脈管索、左半回神経、ボタローリンパ節、上行大動脈リンパ節などが脂肪に包まれて存在する。 AP windowは通常、平坦か凹状であるが反回神経腫やリンパ節の腫大により外側に膨隆することがある。 |
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胸部の解剖(縦隔の区域)
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胸部の解剖(肺)
1枚の正面X線画像からその構造を判別することは出来ないため、 肺野を『肺尖野』、『上肺野』、『中肺野』、『下肺野』、『肺門部』に分けて 病変の位置を表す。 |
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胸部の解剖(肺の区域)
鎖骨のラインと第2肋骨の下縁を結んだライン、 そして第4肋骨の下縁を結んだラインで、これにより肺野を分けている。 |
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鎖骨のラインより上部を『肺尖野(青色)』、 鎖骨のラインと第2肋骨のラインとの間を『上肺野(赤色)』、 第2肋骨のラインと第4肋のラインとの間を『中肺野(緑色)』、 第4肋骨のラインより下部を『下肺野(黄色)』、 肺門の周囲を『肺門部(紫色)』と呼ぶ。 |
循環器機能計測
<心胸郭係数(比)> Cardio Thoracic Ratio |
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<心容積> Heart Volume |
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正常X線像
左第2弓と3弓は1弓と4弓の接線より内側にあり、見えないこともある。 横隔膜は通常右が高位。 |
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心胸郭係数の正常値は35〜50% | |
立位のPAとAPでは、肺野の最大横径と正中から右心室辺縁までの距離さほど変わりないが、正中から左心室辺縁までの距離だけが1.2cmほど長くなっている。これは、肺野の横径は前後方向と後前方向では変わらないためで、右心室は心基部、つまり体の中心に位置するため拡大率が変わらないと考えられる。左心室は体の前側にありAPで拡大したと考える。 | |
立位PAと臥位APでは、見た目にも心臓が大きくなっているのが分かるが、肺野の最大横径と正中から左心室辺縁間での距離の両方が長くなっているため、CTRはさほど変わっていない。 | |
まとめ
胸部X線写真でわかること
- 正常像がわかる
正しい解剖を理解することで正常像がわかる。- 正常変異像がわかる
撮影方向や撮影体位の違いを理解することで正常変異像(心陰影の見え方の違い)がわかる。- 異常像がわかる
正常像、正常変異像を理解して、はじめて異常像がわかる。- 異常の程度がわかる
正しい計測法を理解することで異常の程度がわかる。
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