2008年10月活動開始のワーキンググループ です。

名 称 : 第5次 循環器撮影実態調査班
班 長 : 山下 慎一 (東京慈恵会医科大学附属病院)
班 員 : 石川 栄二 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
    : 井上 知子 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
    : 太田 丞二 (新座志木中央総合病院)
    : 佐藤 孝行 (新座志木中央総合病院)
    : 隅 真一郎 (昭和大学病院)
    : 武田 和也 (榊原記念病院)


活動目標および内容 :
 5年ごとに実施している全国規模のアンケート調査(5回目)を行い、心臓カテーテル検査を中心とした血管造影検査の実態や作業環境等に関する現状把握と変遷を分析し、今後の研究の基礎資料として報告し公開する。

(活動実績)
◇ 循環器撮影の実態調査 第1報 施設,装置の実態 : (口述)第66回日本放射線技術学会総会学術大会 2010年4月
◇ 循環器撮影の実態調査 第2報 撮影条件、造影剤の実態 : (口述)第66回日本放射線技術学会総会学術大会 2010年4月
◇ 循環器撮影の実態調査 第3報 被曝、放射線防護、業者立会いの実態 : (口述)第66回日本放射線技術学会総会学術大会 2010年4月
◇ 循環器撮影の実態調査 第4報 検査モダリティ,ネットワークシステムの実態 : (口述)第66回日本放射線技術学会総会学術大会 2010年4月
◇ 循環器装置・CT装置のQC・QA 〜管理すべきPoint !!〜 : (シンポジウム)第263回循環器画像技術研究会 2010年3月
     アンケート調査から見えるQA(品質保証)
◇ 循環器放射線診療に携わる放射線技師の役割 : (シンポジウム)第253回循環器画像技術研究会 2009年3月
     5年毎のアンケート調査から見た循環器撮影の変遷と放射線技師の役割

(活動報告)
◇ 2008年


2009.04.11 第66回 日本放射線技術学会総会学術大会 報告
(口述) 演題区分 : X線検査(心カテ)

循環器撮影の実態調査 第1報 施設,装置の実態
The actual conditions survey of circulatory organs filming.
The first report is the actual conditions survey of activity and system.

報告者 : 井上 知子 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)

【はじめに】
 循環器画像技術研究会では,循環器の撮影・検査について全国規模の実態調査を5年毎に実施している.今回,循環器用インジェクターおよびCアームCT搭載装置の導入状況と業者立会い規制の実態項目を追加して調査・集計した。第1報では,各施設における血管撮影室の運用形態・実績と導入装置について報告する.

【方法】
 全国990施設を対象にアンケートを行い, 回答が得られた251施設(回収率25.4%)より以下の項目について集計・分析した.
1)部位別の年間検査(IVR)件数
2)1検査あたりの職種別スタッフ数
3)FPD搭載装置の設置率
4)動画の保存方法

【結果と考察】
1)全検査件数に対するIVRの割合は44%と前回(32%)より増加しており,他のモダリティの診断能向上に加えIVRデバイスの開発による治療適応の拡大が要因と考えられる.
2)1検査あたりの診療放射線技師数は1名から2名で前回調査と同様であったが,臨床工学技士が心臓カテーテル検査に従事する施設は全体の63%まで増加した(前回40%).これは,多様化する周辺機器の操作に専門性が要求されているためと考えられる.
3)FPD搭載装置の設置率は全体の45%(前回5%)であった.この内,心臓専用装置は53%とI.I.搭載装置数を上回っていたが,頭腹部専用装置では37%にとどまった.これは,DSA機能や大型FPDの開発・販売が遅れたためと考えられる.
4)循環器用動画ネットワーク装置を導入している施設は全体の39%であった.前回調査では,既存メディアに保存している施設が全体の97%であったことから動画ネットワーク装置への移行が進んでいると言え,導入・維持コストの低下と病院全体のIT化(PACS等)が要因と考えられる.



2009.04.11 第66回 日本放射線技術学会総会学術大会 報告
(口述) 演題区分 : X線検査(心カテ)

循環器撮影の実態調査 第2報 撮影条件、造影剤の実態
The actual conditions survey of circulatory organs filming.
The second report is the actual conditions survey of shooting conditions and contrast medium.

報告者 : 武田 和也 (財団法人日本心臓血圧研究振興会附属榊原記念病院)

【はじめに】
 第1報と同様の目的でアンケート調査を実施した。第2報では撮影方法と造影剤について報告する。

【方法】
 第1報と同様の方法でアンケート調査を行い、得られたデータより、以下の項目について集計・分析した。
1)心臓カテーテル検査における撮影角度の決定職種とバイプレーン使用割合
2)撮影角度と撮影条件および造影条件
3)冠動脈用造影剤自動注入器の導入率と管理者
4)使用造影剤の種類・ヨード含有量。

【結果・考察】
1)撮影角度の決定に診療放射線技師が関与している施設は全体の19%であった。冠動脈撮影をバイプレーンで実施している施設割合は21%で、前回調査(23%)と同等であった。慢性冠動脈完全閉塞PCIの普及などによる変化は認められなかった。
2)冠動脈造影時の撮影回数は、左冠動脈で5〜7回が、右冠動脈では3〜4回が最も多く、それぞれ67%、85%と前回調査と同等であった。冠動脈CTの普及による撮影回数の減少は見られなかった。
3)冠動脈用造影剤自動注入器は40%の施設に導入されており、前回調査(9.5%)から約30ポイント増加した。上肢アプローチの普及で細径カテーテルが使用されるようになったことが主な要因と考えられる。
4)ジェネリック造影剤の使用率は35%であった(前回6%)。包括医療制度を背景に採用施設が多くなってきている。近年、造影剤腎症が問題とされているが、高濃度造影剤が保険適応になっている冠動脈や左室造影で300mg/I前後の中濃度造影剤を使用している施設はなかった。I.I.搭載装置とFPD搭載装置による造影剤の使い分け(ヨード含有量、希釈)は見られなかった。



2009.04.11 第66回 日本放射線技術学会総会学術大会 報告
(口述) 演題区分 : X線検査(心カテ)

循環器撮影の実態調査 第3報 被曝、放射線防護、業者立会いの実態
The actual conditions survey of circulatory organs filming.
The third report is the actual conditions survey of exposure and radiation protection and attendance of sale companies.

報告者 : 太田 丞二 (新座志木中央総合病院)

【はじめに】
 第1報と同様の目的でアンケート調査を実施した。第3報では検査中に着用している放射線防護具の種類、被曝低減方法、業者立会いについて報告する。

【方法】
 第1報と同様の方法でアンケート調査を行い、得られたデータより以下の項目について集計・分析した。
1)検査中の職種別入室人数
2)職種別の着用放射線防護具の種類
3)患者・従事者の被曝線量と低減対策
4)業者立会い状況

【結果・考察】
1)各スタッフの検査室入室状況。診療放射線技師73.4%看護師97.4%。
2)スタッフの防護具の種類別の着用率において医師の水晶体、甲状腺防護具の着用率は87.3%と5年前の85.4%に比べ大きな変化は見られないが被曝への意識向上のためスタッフ教育を継続的に行うことが重要と考えられる。
3)心臓カテーテル検査において患者被曝の記録を残す施設は72.1%と5年前の50.5%に比べ20ポイント以上増加した。その中で被曝線量をカルテに記録する施設も5.8%から18.7%と増加傾向にあり被曝管理への意識向上が伺える。「IVR に伴う放射線皮膚障害の防止に関するガイドライン」(放射線防護連絡協議会:H16)「循環器診療における放射線被ばくに関するガイドライン」(日本循環器学会:H18)の普及や「血管撮影・インターベンション専門診療放射線技師」制度の開始(H20)が主な要因と考えられる。
4)PCIにおける業者立会い状況は現在も行っている施設40.3%、立会い規制以前は行っていた施設41.3%、以前より行っていない施設18.3%であった。デバイスや手技の複雑化により業者からの直接・間接サポートが欠かせないが施設毎に人員体制や経費支出の制約が異なり立会い規制への対応が遅れている現状がある。




2009.04.11 第66回 日本放射線技術学会総会学術大会 報告
(口述) 演題区分 : X線検査(心カテ)

循環器撮影の実態調査 第4報 検査モダリティ,ネットワークシステムの実態
The actual conditions survey of circulatory organs filming.
The fourth report is the actual conditions survey of modality and network system.

報告者 : 隅 真一郎 (昭和大学病院)

【はじめに】
 第1報と同様の目的でアンケート調査実施した.第4報では検査モダリティ,ネットワークシステムの導入状況について報告する.

【方法】
 第1報と同様の方法でアンケート調査を行い,得られたデータより,以下の項目について集計・分析した.
1)疾患別に選択される検査モダリティと治療方法
2)治療後に行う検査モダリティとフォローアップの時期
3)ネットワークシステム導入率.

【結果・考察】
1)心臓疾患では初診時にX線単純撮影・超音波検査を施行し,その後血管撮影が87%の施設で行われ,前回の70%より増加傾向であった.陳旧性心筋梗塞で血管撮影前に行う検査モダリティは,核医学検査が27.8%(前回50%),超音波検査が88%(前回80%),CT検査は13%(前回2%)で超音波検査とCT検査が増加傾向である.これは,冠動脈CT検査の診断能向上や超音波装置の非侵襲性と心機能解析の進歩が要因と考えられる.血管疾患に対する治療方法はIVRのみ行う施設が5年前の25%から7%に減少し,IVRと外科的手術を選択できる施設が50%から69%へと増加している.これは,外科医が下肢PTAや大動脈ステント術を行うようになったためと考えられる.
2)フォローアップ血管撮影時期は47%がIVR施行後6ヵ月,41%がバイパス手術後1ヵ月以内に行っており前回調査と同様であったが,PCI・CABG後の冠動脈CTでのフォローアップ実施率は41%(前回9%)と増加した.
3)ネットワークシステムの導入率として,前回調査ではペーパーレスが3%,フィルムレスが2%であったが,それぞれ19%,39%に増加した.これは,ITシステムの性能向上と導入・維持コストの低下,および診療報酬の改訂が原因と考えられる.







2008年度 第5次 循環器撮影実態調査班 活動報告

班 長 : 山下 慎一 (東京慈恵会医科大学附属病院)
班 員 : 石川 栄二 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
    : 井上 知子 (横浜市立大学附属市民総合医療センター)
    : 太田 丞二 (新座志木中央総合病院)
    : 佐藤 孝行 (新座志木中央総合病院)
    : 隅 真一郎 (昭和大学病院)
    : 武田 和也 (榊原記念病院)

1. 活動目的
 循環器画像技術研究会(以下循研)では5年ごとに全国規模のアンケート調査を行い、心臓カテーテルを中心とした撮影装置及び周辺機器・材料、放射線防護などの実態を調査している。
 その調査を基に、循環器装置や血管撮影業務の変化を研究し、発表することにより、実際の業務に役立つ資料として提供することを目的とする。

2. 今年度の活動内容
・ 今年度11月よりメンバーを徴集し、上記 7 名にて班を構成する。
・ 前回のアンケートを基に、アンケートを継続するもの、調査を廃止するもの、新たに調査を開始するものを会議で話し合い、配布するアンケートを現在作成中である(3月末日現在)。
・ 3月の循環器画像技術研究会の定例会にて、以前までのアンケートを基に『循環器撮影装置の変遷と技師の役割』についてシンポジウム形式で報告した。
・ 配布先住所は医療機器システム白書2008〜2009の血管造影システム設置施設名簿に掲載された、心臓カテーテル検査を行なえる施設をピックアップした。

3. 次年度活動計画
・ H21年 4月  現在作成中のアンケートを幹事会にて確認修正。
・ H21年 6月  アンケート送付(7月締め切り) 。
・ H21年 8月  会議を開催。アンケート集計作業・発表内容確認。
・ H21年10月  幹事会にて抄録確認・修正(11月技術学会エントリー)。
・ H22年 1月  会議を開催。発表者・報告内容を確認。
・ H22年 2月  定例会にて予演会を実施。
・ H22年 4月  日本放射線技術学会総会発表。
・ H22年     日本放射線技術学会論文投稿。



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